バルコニーの家(混構造、二世帯住宅)
中庭に浮かぶバルコニーが家族をつなぐ二世帯住宅。
親世帯、子世帯ともに、リビングを中庭に向かって開きました。
そしてひとつの中庭を2家族が共有するかたちにしたことで、同じ景色、同じ季節を感じながら、お互いの世帯へとうれしさや楽しみがつながっていく家になりました。
地下は鉄筋コンクリート造、地上は木造、バルコニーは鉄骨造という各構造体を適材適所で採用した混構造の建築物です。
容積率の制限が厳しく、完全2世帯住宅(キッチン、浴室、洗面、トイレをそれぞれの世帯に備える)をつくるためには、容積オーバーとなってしまうのが悩みだったそうです。完全2世帯にしたとしても、希望の空間や部屋がとれないのであれば建てる意味を見出せず、プロの建築家に相談しようと考えて下さったようです。
初期段階で、それぞれ個性的な複数のラフプランをご提案しました。
スキップフロア案。中庭+バルコニー案。雁行+中庭案2つ。敷地中央に中庭の案。回遊するプラン。
そのうちの「中庭+バルコニー案」を見たとき、希望の暮らしのイメージがわっと広がり、案とともに設計者も同時に決まりました。
その後、このファースト提案から細かい部分を詰めて変更してきましたが、コンセプトはぶれることなく竣工まで至りました。
容積緩和規定を活用して、厳しい法規制というデメリットを克服しました。
その産物として、温熱環境の安定した地下寝室、床下蔵のたっぷり収納スペース、スキップフロアの変化に富む空間など、むしろ魅力と利点のある住まいになりました。
1階親世帯のリビング。
中庭に向かって南面の大開口。
2階へつながるバルコニーも望めます。
2階子世帯のリビング。
バルコニーそして中庭に向かう東の大開口。
トップライトから柔らかな陽ざしも注ぎます。
1階リビングから、スキップフロアの広縁を望みます。
階段部分は造作引出として小物が収納できます。
1階広縁からリビングを望む。
畳コーナー。
1階玄関。
長靴や傘、スリッパを収納できるサブ玄関収納も製作しました。
トップライトのある階段。陽の移ろいを楽しめる空間です。
2階廊下。
トップライトからの陽ざしで明るい空間。
2階リビングには、テレビ台、デスク+書棚、食器棚を造作で製作。
2階子供室。
フルオープンにできる引戸で2室に仕切ることも出来ます。